保護猫たちのために何かしたいけれど、どうしたらいいかわからない人は多くいると思います。
今回はお店を利用することで保護猫の支援につながるという<保護猫シェルター+飲食店+宿泊>の3つの施設を合わせ持つ珍しい形態の「ホステルねこ蔵」さんを、漫画家の福田素子先生が取材して下さいました。

はじめましての福田素子です。
夫婦で一つのペンネーム・一緒にマンガを作っています。
感動・ロマンス・猫マンガなどいろいろと描いています。
(オフィシャルHP【もとちゃん.ネット】⇒ http://motochan.net

一家全員猫アレルギー持ちという我が家ですが、ひょんなことから猫飼い生活になってはや5年目。なりゆき猫生活のはずがいつの間にかちゃんと家族になっていて、心の中に大きく居場所を作っていたと知ったのは皮肉にもその存在を亡くしてから。

我が家に最初に来た猫、タマ。
気がつけば当たり前に生活の中にいる存在に。
そして肥大型心筋症であっという間のお別れでした。

tama2

袋に入って遊んだり…

tama

気持ちよさそうに眠る在りし日のタマ

ぽっかり心の中に空いたタマの形。
そこを埋めるかのようにタマを亡くしてから不思議に猫に絡んだご縁が増えてきました。
そのご縁の一つが今回ご紹介する「保護猫シェルター付きホステルねこ蔵」。

Facebookで再会した古い友人の井上さんが保護猫活動をしていて、その彼女の「長年の夢を実現できそう!」という報告。その夢の形が「ホステルねこ蔵」でした。

博多駅から近く観光などにも便利な立地に立つゲストハウス「ホステルねこ蔵」。
こちらは木造2階建ての建物で、1階に保護猫シェルターと飲食店。2階にドミトリータイプの客室があります。利用料金一泊2900円~とリーズナブル。

nekokura%e3%83%bb%ef%bc%91
nekokura%e3%83%bb%ef%bc%92

「ホステルねこ蔵」のドアを開けると目の前に保護猫シェルター。
ガラス窓の向こう側にたくさんの保護猫たちが!

nekokura%e3%83%bb%ef%bc%94

直接シェルターの猫たちと触れ合いたくなるけれど、シェルター見学は完全予約制。
ボランティアさん同伴必須なので飛び込みはNG、宿泊される方でも見学の日時予約を取れた方のみになりますのでご注意くださいね。

もちろん見学にはいくつかのお約束があります。
・入室時には手の消毒殺菌
・退出時にも手の消毒殺菌+衣服についた猫の毛を取ります
・お酒を飲んだ後は、予約があってもシェルター入室はできません

nekokura%e3%83%bb%ef%bc%93
nekokura%e3%83%bb%ef%bc%95

見学の当日になったら、ボランティアさんの指示を守り補助役として「猫の遊び相手」になったり、猫たちのおヒザ係になったりと、幸せな時間と空間がそこには待っています。
予約を取り見学に訪れた場で、運命の子に出逢う方もいらっしゃるとか。

g-2

明るい保護猫シェルター内部

g-8

猫と遊ぶのもボランティアの仕事です

シェルターの見学は無料です。維持管理のお金はホステルと併設してある飲食店の売上の一部から賄われるというシステムなのです。

昼はカフェ・夜は日本酒バーの飲食店にある大きな窓ガラス。
そこからガラス越しにシェルターのかわいい猫たちの様子を眺めながら、美味しいお茶やお酒にお料理を楽しめます。(窓からシェルター内を見られるのは夜8時までです)

g-1

カフェの窓から見えるシェルター

ゲストハウスの中はこんな感じ。
二段ベッドのある4人宿泊可の部屋が4室に、2人利用可の個室が1つ。
泊まってみて思ったのは小さい頃に感じたこの二段ベッドの基地感覚。
「なんだか懐かしい空間」でした。

g-3

秘密基地を思い起こさせる二段ベッドの部屋

利用者には海外からの方も多く、初めて出会った人たちが国を問わず猫好きならではの会話に花が咲くとか。実はそういう出来事に私も遭遇しました。併設の日本酒バーで食事をしていた時、すぐ横で初めて会う猫好きさん同士がスマホで自分の家の猫を紹介しあいながら和気あいあいに猫語り…となっていました。

g-6

日本酒バー「夜茶蔵」の料理

楽しく食べて飲んで、気持ちよく宿泊して…その売上の一部がシェルターの猫たちを守ってくれることになります。誰かの幸せや楽しみがそのまま保護猫たちの幸せの支援につながるのです。

g-4

カフェ「茶蔵」のスイーツとドリンク

g-7

ランチの「ねこ蔵」御膳

保護猫活動というものはボランティアの方たちの努力と情熱に頼る面が大きく、個人活動も多いと聞きます。そのためにボランティアさんの事情(病気など)で活動を止めなくてはならなくなったり、負担が大きすぎて気持ち的にも経済的にも継続ができなくなったりということが起きた時、せっかく保護された猫たちが再び保健所へ…という悲しい出来事も少なくないという現実。

井上さんが代表をしているボランティア団体「福ねこハウス」は動物愛護センターから殺処分の決まった猫を引き取り里親さんを探す活動をしています。その活動の中でそういった現実に何度も遭遇していくうちに思い始めたことー「保護猫活動を続けられる支援の形を作りたい」。

そして同じ想いを持つ人との出逢いが「ホステルねこ蔵」を産んだのです。
そのもう一人の方がオーナーの森さん。

森さんは20代の頃から個人で保護猫の里親さん探しやTNR活動をしていて、いつか猫たちのシェルターを作りたいという気持ちを持つようになったそうです。その後、井上さんとの出逢いで殺処分される猫たちの存在を知ってからはさらに強く思うようになったといいます。
※TNR:Trap(トラップ=捕獲) Neuter(ニューター=不妊手術)Return(リターン=元の場所に戻す)

そんな二人が「一匹でも多くの猫を殺処分から救いたい」「そのための資金・継続できる支援の形」を模索してできあがったのが「保護猫シェルター付きホステルねこ蔵」。

私自身そうですが「猫たちのためになにかできないか。できることがあれば…」と思いつつ「でもなにをしたらいいの? 保護猫活動をするほどの覚悟はないし…現状難しいし」気持ちがあるのにどうしていいかわからない。そんな風に思っている人は多いのではないでしょうか。

「猫たちのためになにかできたら…でもなにを?」
その気持ちを利用することで形にできる。
それが「ホステルねこ蔵」のシステムだと思いました。

g-5

シェルター内で無邪気に遊ぶ仔猫たち

福岡においでの時にはぜひ「ホステルねこ蔵」へ
そこでたくさんの保護猫たちの存在を知ってもらい、カフェでスイーツや珈琲、ランチを済ませて、夜は日本酒カクテルと美味しい料理に舌鼓。ゲストハウスに宿泊する方は「ホステルねこ蔵」のオプションの朝食(TKG←卵かけご飯一択です)までフルコースで楽しんでください。

そんな「ホステルねこ蔵」でお腹いっぱい楽しく過ごすひと時が保護猫たちを守ります。
長くずっと続く支援の形として――。

(文・イラスト・写真/福田素子)

 

「保護猫シェルター付きホステルねこ蔵」
住所・812-0044 福岡県 福岡市博多区千代4-7-86
※予約はホームページとブッキングドットコムさんからできます。

ホームページ⇒ https://www.nekokura.co.jp
Facebook⇒ https://www.facebook.com/保護猫シェルター付きゲストハウス-ねこ蔵ホステル-672495096261048/
twitter⇒ https://twitter.com/NEKOKURA5

 

nekokura%e3%83%bb%ef%bc%91%ef%bd%92%ef%bd%85