南仏コートダジュール在住の日本人。藍の万年筆で描かれる独自の絵は不思議な魅力を放つ。個展で展示される100点ほどの絵はほぼ完売。アメブロのヨーロッパ部門で有名なブロガーでもある。
<南仏ネコ絵巻>ではフランスのネコにまつわるグッズやよもやま話をイラストとともに紹介します。
「フランス絵巻」
仏国に“CHAT=猫”という名の洗剤がある。当初、「フランスには猫専用の洗剤がある!」と驚きましたよ。「なんで犬用は無いん?」って思いましたけどね。臭いのは犬のほうだけに。

“CHAT”が人間用の衣料洗剤であることは、CMで知ったものの、商品名が“猫”って、インパクトが凄まじいですよね。日本の洗剤メーカーが、新製品会議で、『商品名は“猫”でいきましょう』ってあり得ませんやん。
このたび、猫エッセイを開幕するにあたり、この命名センスの謎を調べてみました。メーカーのオフィシャルサイトには、2つの理由が載ってましたわ。
まず、猫は自分を清潔に保つ習性があること。猫は獲物を見張ることから“汚れ(敵)を見逃さない”イメージと。由来は、商品名ほどインパクトがないような…。
“創業者が猫好きだった”とかほうがシックリくるのにね。仏人は、もっもとらしい理由を後付けにする癖があるわ。
汚れに対する感覚も、日仏で大きな違いがありますよ。
日本人が、“清潔不潔”という“目に見えない領域”にこだわるのに対して、仏人は、“シミ”など、“明らかな可視領域”を重視する。
早い話、シミさえついていなければ、汗になったTシャツも、“乾けば、翌日も着ていられる”のが仏人。シミがあっても、洗ってあれば、“清潔”とみなし、平気で着るのが日本人。
仏人が、自分の服にシミをみつけ『こんな恥ずかしいもの着て歩けない~』と言うのを見るにつけ、小さなシミに国際規模の齟齬を感じる。
と、同時にワテの心に小さなシミがつき、このシミの蓄積が国際免疫になるのでアール。
話が大きくなったわ。
そもそも、仏国には風呂文化が無いですしね。毎晩、風呂に浸かって、無意識に禊(みそぎ)をする日本人、1日の汚れを落とさずにベッドに入り、出かける前に、オフィシャルな身だしなみとしてシャワーを浴びる仏人。
日本人の結婚生活が倦怠期を迎えると、『価値観の差』にウンザリ、に対して、国際結婚は恋愛期間が終わると、『生理領域』がハナについてくる。
根源的なカルチャーのワダカマリは、根本的に埋まらない。
そんな時こそ“CHAT”でお洗濯すれば、“猫はカスガイ”になったりしてニャ?
